『 ゴージャスな花火大会 5 』
読む前の説明
※は注訳で解り辛い部分を注訳しているつもりです(特にスリッパツッコミ)
注訳以外で解らないコトはTwitterや拍手で訊ねてくださればお答えします


★ Write:のんた ★

  : 移るか?って・・・炎樹さんたら、軽いなぁ〜〜もう
炎樹 : そうか?実は話がなくて、困ってたり?なんていわねーよな?
チヒロ: それは・・・たぶんない・・・ね?さん
 : うん。

にっこり笑って返事をしたを恨めしそうにが見る

  : ・・・・・
 : いいじゃん?コイバナ
  : ん・・・わかったわよ・・・花火に絡めなきゃダメ?
水無月: そんなことはありませんよ。私の場合は、たまたま思い出しただけですからね
 : 私も。思い出しただけだもん。だから大丈夫
杉田 : で、さんのコイバナは?
カズマ: そんなに急かすな
  : だよねぇ?それに花火、選ばないの?
杉田 : そうですけど、話、聞かないと落ち着かないじゃないですか?
     さっきみたいに話聞こうとして花火落とすの、俺、嫌ですもん
炎樹 : だよな。お前、1勝もしてねーもんなぁ
杉田 : あはは・・・言わないでください・・・

※スリッパ登場!スパーーーン( *゜∇)/☆(ノ゜凵K)ノ
しゅんとした杉田に景気付け?の1発

杉田 : おおっ!
 : そう落ち込むな。きっと光が・・・ね?
杉田 : ですよね。俺、頑張ります
カズマ: ・・・で、の恋の話は?
  : あ、やっぱり戻す?
カズマ: ああ、今後の参考に、な?
  : ・・・参考って・・・
水無月: では、さんのコイバナを聞いたら試合再開という事にしましょう
  : ふぅ・・・水無月さんに言われたら・・・仕方ないですね

が困ったように頬を掻くとが耳元でこっそり囁いて笑った

 : それだけみんな、真剣勝負ってコトだよ
  : ・・・うん
 : さて、自白してもらおうか?
チヒロ: ・・・飲み物・・・追加、持ってくる・・・
 : あ、私も行く!んじゃ、飲み物待ちの間に思い出しておいてね〜〜

は楽しそうにそういうとチヒロと飲み物を取りに行った
ふたりが戻ってきたところで、コイバナスタート

  : コイバナ・・・か・・・花火に全然絡んでませんけど・・・いいですか?
炎樹 : ああ、もちろん。
     んで、どんな話だ?モッタイつけて、たいしたコトなかったらぶっ飛ばすぞ?
カズマ: ・・・炎樹さん?

そういって炎樹を見たカズマ
その瞳から炎樹は着替えの時、テントで見たカズマの顔を思い出した

炎樹 : ・・・冗談だよ・・・本気にすんなよ・・・
カズマ: わかってますよ・・・ただ・・・
 : はい。そこゴチャゴチャしない。、話すきっかけなくしてるから!
カズマ: ・・・悪かった・・・
  : 大丈夫。気にしないで?んでは、って・・・なんか改まると恥かしいなぁ・・・
杉田 : 聞かせてください。ね?
  : コイバナね・・・
     私ね、今まで本当に好きだったな。って想える人ってひとりしかいないの
水無月: ・・・ひとり・・・ですか?
炎樹 : 付き合った人数?・・・なワケねーよな?
  : もちろん。
     でもね、今でもその人がいちばん好きかも・・・って思えるほど好きでね・・・
     あんなに好きになったコトなかったから、自分でもびっくりしちゃって・・・

そういって空を見上げた
両サイドにいたカズマと杉田はを見ようと視線をずらすと、
互いの視線が一瞬かみ合い逸らせて黙った

チヒロ: ・・・それって・・・片思い・・・?今でも好き?
  : そうだなぁ。付き合ってたけど、フラれちゃったし・・・
     ちょっと前まではそれでも好きだったけど・・・
     今は違うかな?・・・うん。今はいい思い出。
カズマ: え?
杉田 : 誰か・・・それ以上に好きな人、いるんですか?
  : ううん。いないいない。みーんな好きv

目が笑っていないまま、そういったの顔を本心を知っているがちらりと見る

 : みーんな・・・?
炎樹 : へぇ〜じゃ、俺サマも入ってるわけだ。
  : いや・・・それは・・・嫌いじゃないけど・・・エロ魔人サマだし・・・ね?
炎樹 : んー、エロ魔人って・・・だからよぉー、好きなら行っちまうだろ?な?
チヒロ: ・・・外は・・・ダメ・・・見せたくない・・・
炎樹 : でもよ?俺のだー!って公言できんだぜ?それって良くね?
チヒロ: ・・・そっか・・・
 : ダメだよ、チヒロ。エロ魔人の誘惑に乗っちゃ!
水無月: そうですよ。好きになったら公言したからといって諦めるという訳でもないでしょう?
チヒロ: ・・・そっか・・・

が安堵の息を吐くとは笑う

  : んじゃ、これでコイバナはおしまい。花火選ぼ?
カズマ: だな。今のところ、炎樹さんがリーチで、俺とチヒロが一勝、か...
水無月: 線香花火も残り少なくなってきてますね。ここからが勝負でしょう
炎樹 : おっしゃ!なんか気合入ってきた!
杉田 : 俺もです
チヒロ: ・・・頑張る・・・
水無月: 皆さん、すごい気合ですね。私も負けていられませんね
 : では、線香花火先取権スタート!

の掛け声とともに線香花火の選考会が始まった

杉田 : これか?こっちか?こっちも捨てがたい
カズマ: 俺はこれにする
  : 私はえっと・・・
チヒロ: さん、きっとこれが・・・いい
 : じゃそれにしようかな?
水無月: 私はこれで・・・
炎樹 : 俺様はコイツだな

そんなこんなで、再びバトルが・・・・・
数回バトルを繰り返し、2本先取が炎樹、杉田、チヒロの3人に

 : あ、これで線香花火は最後かな?
水無月: ですね。これがラストになりそうです。
カズマ: 俺と、それにさんと店長はどうにせよ、勝つ見込みはなし。
  : そうだねぇ・・・残念。
 : しかも勝ち残り組み、怖いよ・・・
炎樹 : そうかぁ?そうでもないぜ?
杉田 : そうですよ。怖くないですって!
チヒロ: ・・・俺も?
 : いや、チヒロは怖くないよ。うん。
水無月: やっぱり、さんはチヒロの応援ですか・・・
カズマ: 店長、残念そうだな。
  : うん。、ダメじゃん。自覚無いんだから・・・
 : ・・・そんなコトいったって・・・
チヒロ: 苛めちゃ・・・だめ・・・

そういってチヒロがを守るように抱きしめた

炎樹 : お、チヒロやるじゃん!
カズマ: でもそれは、フライングじゃないのか?まずは勝負に勝ってから、だろ?
水無月: チヒロは直球ですからねぇ・・・仕方ないですね

そういってチヒロの肩に手をやる

水無月: 勝負はこれからですよ?
チヒロ: ・・・わかってる・・・

そう答えるとチヒロはを名残惜しそうに抱きしめる手を離した

カズマ: では、最終試合・・・始めるか?
  : あ、待って!
カズマ: どうした?
  : どうせ私達、勝つ見込みないでしょ?
     それだったら、私たちの分は勝負がついた後、みんなで楽しもうよ。
 : うん。それいいね。そうしよう。
水無月: では、炎樹とチヒロ・・・そして杉田くんの3方で始めましょうか?
     ではこの中から選んでください

炎樹、チヒロ、杉田の3人がしゃがんで真剣に選び出す

炎樹 : よし。どーすっかなぁ〜
チヒロ: さん、どれがいい・・・?
 : チヒロが選んだのがいいと思うよ。今までも、チヒロが選んだ方が長かったし
杉田 : やー、参ったなぁ・・・
カズマ: これなんてどうだ?
杉田 : ・・・カズマさん・・・
カズマ: 落下傘、貸し作るのイヤだからな・・・
杉田 : 貸し、ですか・・・そんなつもりじゃないですよ。俺
カズマ: お前はそうかも知れないが、俺にはそう感じただけだ。気にするな

  : 水無月さん、いいんですか?
水無月: 何がですか?
  : あれ・・・

しゃがんで花火を選んでいるチヒロとに視線をやった

水無月: 仕方ないですよ。
     さんはチヒロのお客様でしたから・・・私がいまさら騒いでも、大人気ないですし。
  : ・・・・・
水無月: でも、諦めたわけではないんですよ。隙を狙っていくんです。
  : ・・・なんか、ズルイ・・・
水無月: 大人ですからね。それに・・・
  : それに・・・?
水無月: ああやって一生懸命やってる時のさんの表情、いいと思いませんか?
  : ・・・・・

炎樹 : お?店長、に鞍替えか?
杉田 : なに?
カズマ: ん?
水無月: そんな怖い顔、しないでくださいよ。違いますよ。
     チヒロの為に真剣に選ぶさんの表情が凛としているのに
     可愛らしいなと思って話してたんですよ。ね?さん?
  : うん。そうですね。
チヒロ: ホント・・・?悪い相談、じゃ・・・なくて?
  : 違うよ!もう・・・心配性だなぁ・・・
チヒロ: ・・・だって・・・
杉田 : あ、さん・・・紅くなってる〜〜
チヒロ: ・・・え?
 : こら!智和!
杉田 : やっぱさんも女の子なんですねぇ〜〜うん。可愛い。可愛い。
(どうやらいつもの仕返しらしい・笑)
 : ・・・殴る。今すぐ殴る・・・

  : まぁまぁ・・・
 : ・・・だって・・・
  : いつも杉田さんをからかうからだよ。
 : ・・・・・

は浴衣の袖から取り出していたマイスリッパを袖に戻した

炎樹 : が落ち着いたところで、試合再開しようぜ?マジで
水無月: ええ、では皆さん、あと3分以内に最後の1本を選んでください

3分後、いよいよ最後の試合
水無月の掛け声とともに3人は一斉に火をつける
小さな火花と小さな紅葉色の点
火花が小さくなり、点が渦を巻き玉になる
紅葉色の玉がやがて大きな火花を散らす

 : やっぱり何回見てもきれいだね
  : うん。そういえば、カクテルについてる花火もあるよねぇ・・・
     お子様ランチとかパフェもあるよね?
カズマ: ああ・・・銀色のヤツだろ?
  : それそれ!
 : そういえば、あれも火花散らすよねぇ・・・
水無月: アレは金属の火の粉ではなかったでしたか?
カズマ: ええそうです。スパークは金属の火の粉、線香花火は炭だ。
水無月: カズマ、よく知ってましたね。さすがですね。
 : へぇ〜そうなんだ。
水無月: あ、そろそろ佳境ですね?

視線を移すと息を殺してジッと耐える3人の姿
玉は小さくなり、小さな松の葉を散らしていた

はぁ・・・と大きなため息が聞こえたあと、一際大きな声が・・・

水無月: 炎樹が勝者のようですね。
炎樹 : やっぱ、俺様だぜ。悪いな、チヒロ、杉田
チヒロ: ・・・・・
杉田 : 仕方ないですね・・・
 : あ〜〜、エロ魔人が勝ったよ・・・
  : ホントだ・・・
炎樹 : だからよー。そのエロ魔人呼ばわり止めろ?これでもなぁ・・・
 : うん。知ってる知ってる。抱かれたい男ナンバー1なんでしょ?
炎樹 : そうだぜ?
  : きっと、エロさが伝わってるんだねぇ・・・
炎樹 : おい!
  : 冗談だって・・・
炎樹 : 全くよぉ・・・
カズマ: で、炎樹さん。炎樹さんが王様ですけど、ご希望はなんですか?
チヒロ: さんと・・・とか、いっちゃ、ダメ・・・
杉田 : それなら俺だってダメですよ。
水無月: ふたりとも、そんな事いっていたらゲームじゃなくなってしまいますよ。
炎樹 : だよな。ダメだぜ。ふたりとも。
カズマ: ってコトは・・・炎樹さんはさんに何かする気ですか?

カズマの言葉をキッカケにカズマ、チヒロ、水無月、杉田が一斉に怖い顔で炎樹を見た
炎樹は困ったように頭を掻く

炎樹 : ・・・だからそんな怖い顔をすんなってーの!なんの為の勝負だよ・・・ったく・・・
 : で、スーパースターさまのお願いって?
炎樹 : ああ、お願いじゃねーけどな。結構、クるぜ?
  : ・・・・・・?
炎樹 : 勝者、炎樹サマの命令は・・・
     お前らが勝ったら何を言おうとしてたか教えてくれ。って事だ。
全員 : ええーーー!!!
炎樹 : あんだけ真剣だったんだ。
     叶う、叶わないは別にしてもさ、言ってみる価値はあるんじゃねーの?

そういって最高級の笑顔を見せた