『 たなばたづき Select 姫条 』 ★ Write:梅桜 ★
は銀時の問いに、ふと視線を泳がせた
その視線が、氷室の怒られながらも楽しそうに短冊を拾い集める姫条で止まった

 : 私は好きな人と一緒に過ごしたいって書いただけ。
銀時 : へーぇ。にしちゃぁ直球じゃねーかよ?
 : そう?私いっつも直球勝負のつもりだけど?
銀時 : ま、そういう事にしといてやるよ。はなんて書いたんだ?


銀時はに声をかけながら、の元を去った
銀時の背中を見送り、また姫条を視線で探すも見あたらなかった

 : (あれ・・・またバック入っちゃったかな・・・それとも帰っちゃったかな)
姫条 : お姫様、どうされました?
 : え?あ、や、嫌だぁ、姫条君、お姫様って・・・もうびっくりした
姫条 : そんなに驚く事ないやん?ホストとして行けるとおもったんやけど・・・ダメ?
 : んー姫って呼ぶのは彼だから・・・

はそう言って彬を指さした。姫条は彬を見て、一言つぶやいた


姫条 : 三原?!

スパーーーーーーーーン!(。-ω-)_θ☆(ノ ̄皿 ̄)ノ

 : キャラは似てますけど!違うから寝、姫条君!!
姫条 : すんません・・・

ふと、会話が途切れた
姫条が視線を持っていたグラスへ落とす

姫条 : 楽しそうで何より、やね。
 : そう?姫条君も元気そうで嬉しかったよ。
姫条 : 俺は・・・元気やで?それ位しか取り柄ないしな
 : そんな事・・ないよ
姫条 : ・・・ちゃん、ここでモテモテやんな
 : はい?!そんな事無いって!!あーチヒロは懐いてくれてるけど
姫条 : ホンマ鈍いんやなぁ・・・そう言う所変わってへん
 : もう、どうしたの!姫条君!
姫条 : ん?なんやろな・・・
     ちゃんが知らん男と一緒に笑ってるの見て・・・寂しなったんかもな
 : 姫条君・・・
姫条 : またまた落ち込むー!ほれ、笑って笑って!俺が泣かしてるみたいやん?
 : だって・・・

姫条 : ほな、俺もう帰るし。ありがとな、面白かったわ

弾かれるようには姫条を見上げる
もう、振り向かない姫条の背中、遠ざかっていく背中

彬  : 良いのかい?姫
 : 彬さん?!
彬  : 本来、織り姫は彦星を待つものだけど、追いかける織り姫も素敵だと思うよ?
 : ・・・でも・・・

あの背中は拒絶。
もう良いって笑ったけど笑っていない瞳
それでも追いかけていいの?のココロがぐらぐらと揺れる


彬  : そんな姫に素敵なチケットをあげよう
 : え?チケットって・・・これ短冊・・・あ、私の短冊!
彬  : そう正解。じゃ、もう一枚は?
 : ・・・これは・・・

「久し振りに会えた人とまた、一緒に笑えますように」

少しクセのある文字。何度か見てそして忘れられ無くなった文字。
姫条まどかの短冊だった

彬  : まだ、間に合うはずだよ?彼は少し歩いた駐車場にバイクを止めてきたと言っていた
 : その駐車場って知ってます?
彬  : あぁ、僕もたまに使う
 : 私の足でも・・まだ・・・まだ

涙が溢れていた
今を逃したら、もう逢えないかもしれない
今日、ここで一緒に七夕を祝えたのは、ひょっとしたらチャンスだったのかもしれない

彬が素早く短冊に地図を書いた。
その地図を見て、すぐに近くだと知る。は荷物を持つとそのまま走り出した

彬  : 気を付けて!彼にヨロシクね!

ゴージャスから彬の声がした
早く、早く・・・お願い、この短冊が姫条君の願いだとしたら、もう・・もう離れたくない!!

駐車場に向かう最後の角を曲がった時
は思いっきり人にぶつかった

 : す、スミマセン!急いでいたもので・・・
姫条 : そんなに急いで、どこいくねん、ちゃん?
 : 姫条君?!
姫条 : ほら、立って。もうちょっとしたら行こうかなぁなんて思ってたんやけど

姫条の手を取り、立ち上がる
勢い良くの手を引いた姫条は、そのままを胸の中に隠してしまった
そして話を続けた

姫条 : ひょっとしたら、ちゃん来てくれるかもしれんなぁ、
     なんて都合の良い事思ったら動けんようになった
 : ・・・姫条君
姫条 : 未練タラタラや・・・
     あのまま、格好良く店から去って、ちゃんの幸せ願ってーって考えたんやけど
 : ・・・
姫条 : 無理。やっぱりちゃんの笑顔みたら・・・ここから動けんかったわ
 : 姫条君・・・動かないでくれてありがとう・・・
姫条 : お陰で、ちゃん捕まえたわ
 : 捕まっちゃったw


一度体を少し離し、お互いに微笑み合うともう一度抱き合った
まるで再開を懐かしむように、しばらくそのまま抱き合っていた


一方、ゴージャスでは彬がチヒロに話しかけた
チヒロはが姫条の後を追った事も、彬に急かされて出て行った事も全部知っていた

彬  : 怒っているかい、チヒロ?
チヒロ: ・・・判らない・・・
     でも、さんがここで悲しんでるより・・・笑っている方がいいから・・・
彬  : 大人になったね、チヒロは。
チヒロ: ・・・そんな事無い・・・まだ・・・さんを追いかけそう・・・
炎樹 : 暗い顔してんじゃねーぞ!チヒロ!!
チヒロ: 炎樹さん・・・
炎樹 : 大丈夫!!大丈夫だからな、チヒロ!
万里 : あららー、炎樹かなり酔ってないか?
炎樹 : 酔ってませんよーだぁ!全然、酔ってません!
万里 : 酔っぱらいはだいたいそう言うの。ほら、ちょっと向こうのソファーで休もうね〜
チヒロ: ・・・炎樹さん・・・酔ってる?
彬  : 彼なりの元気付け方だったんだろうね。さ、チヒロ僕らも楽しもうじゃないか?
チヒロ: ・・・うん。お腹・・空いた

彬に背中を押され、チヒロは料理が残っているテーブルに戻る
炎樹は酔ってソファーで寝てしまったので、万里もチヒロ達に加わった
男達の話はまだ、終わらないようだ


一方、と姫条はバイクに乗っていた
の分のヘルメットをちゃっかり、持ち歩いていた姫条は
そのままを乗せると自分の部屋へバイクを走らせた


姫条 : 久し振りちゃう?俺の部屋くるの
 : 久し振りーだからワクワクしちゃう!
姫条 : あー・・・そんなワクワクして宝探しとか初めんでええから。
 : え・エッチな雑誌とか探して欲しいの?
姫条 : な、無い!そんなものボクチャン持ってませんよぉ?!
 : うそうそ、探さないって
姫条 : ・・・いや、ちゃん、そういうの鼻利くさかいなぁ

他愛もない話をしながら部屋に上がる
久し振りに入った姫条の部屋は、以前来た時となんら変わっていなかった

姫条 : 入って?いまコーヒーいれたるわ
 : お構いなく〜っていうか、手伝おうか?
姫条 : え?ええよー一応お客様やし
 : でも落ち着かないし、何か探し出すと悪いし
姫条 : ・・・手伝ってください
 : はいw

二人で並んでたつ台所
以前もこんな風に並んで台所に立った気がする
は洗い物をしながら、姫条の視線を感じた

 : なに?何か着いてた?
姫条 : んー・・・チュゥしたくなる唇と
 : ・・・その先は結構です
姫条 : えー、ええやん・・・なんかええなぁって
 : ん?

手を拭きながら姫条を見る
ヤカンのお湯が沸騰した。姫条は火を消して、そのままを抱きしめた

姫条 : ちゃんがここにいるって・・・なんかええなぁって思ったら・・・なんやタマラン
 : 私も・・・あの時走り出して良かった。あ、そうだ、短冊・・・
姫条 : 俺の?ちゃんの?
 : 二人の。

がちょっとゴメンと言いながらカバンの中から彬がくれた短冊を机の上に並べた
姫条の短冊との短冊。
「姫条君と一緒にいたい」

後ろから、姫条がを抱きしめた
耳元で声がする。甘えるような声だった

姫条 : 照れくさいけど・・同じ事書いてたんやなぁ・・・嬉しいわ
 : 私も姫条
姫条 : な、それやめへん?
 : え?
姫条 : 姫条君、言うの今日はもうお終い。今から「まどか」って呼んで?
 : ・・・急にはちょっと・・
姫条 : せやなぁ・・・俺もちゃん付け止めるわ。な?
 : え?あ、は、はい?!

姫条 : ・・・名前、呼んで?せやないと、弱いトコ順番に攻めていくで?
 : ?!ちょっと、そういうはズルイでしょ、姫条君!
姫条 : ブブーー!・・・んー・・どこから攻めたらええかな?
 : まって・・・ホント・ダメ

は後ろから耳元でずっと囁かれているせいで、すでに腰砕け状態だった
姫条はその状態で、まだを解放しようとしない
弱い所を知っているから。まだ、足りないから・・・

姫条 : 七夕でやっと逢えたんやから・・・今日はワガママ言わせて?な、
 : ・・・もう、ずるいんだから・・まどかは
姫条 : そうそう、出来るやん?ご褒美

姫条はの前に移動すると、にっこり笑った
の大好きな笑顔だった
そのまま、唇にご褒美が落とされた

七夕は始まりの日になった