『 たなばたづき Select 銀時 』 ★ Write:梅桜 ★
店内が暗いせいか、銀時の表情がは読めなかった
いつもの明るい、ふざけている銀時にも見えて、それでいてどこか違う

銀時 : ?どうしたー?おーーーい?!
  : あ、銀さん・・・ちょっと考え事・・・
銀時 : そんなに真剣な短冊なのか?ちょ、お前それやばくないか!?
  : え?なんで?
銀時 : だってよ、それは・・・あーまぁいいや・・・で?なんて書いたんだ?
  : んーとね・・銀さんが教えてくれたら教える
 : 私も銀さんが教えてくれたら教えてあげる
銀時 : お前はいいって。つうか、なんでいるんだよ!
     さっさとあのサイヤ人みたいな髪型の人の所に行けって
万里 : それってオレの事?酷いなぁ、銀さん。ちゃん、慰めてくれる?
 : ハイハイ、じゃあっちで慰めてあげますよ〜、後でね?


は意味深な笑顔を浮かべて、に手を振った。
万里とを見つけたチヒロが子犬の様に飛んできた
そんな様子を見て、は微笑んでいた。の横顔を銀時はボンヤリと見ていた

ふと、は短冊を見つけた。
すぐ近くに下がっているその短冊には見慣れた文字が見えた。しかしの身長では届かない


  : 銀さん、銀さん!
銀時 : ん?どうした。やっと俺に告白する気になったか?
     よしよし、さぁこい、今来い、ドーーンと来ぉい!
  : 全然違う。そういう話じゃない。まぁ、告白はおいといて、あの短冊銀さん?
銀時 : おいとくってお前・・あーーーー!!あんな所にぃ?!
  : やっぱり銀さんだ。で?なんて書いたの?
銀時 : ダメダメダメダーーーーァメ!!
     18歳以下立ち入り禁止だから!もういっそ25禁とかにしてもいいくらいだから!
  : どんな願い書いたんですか!そう言われるとなお読みたいじゃないですか!!
銀時 : だーかーらぁ・・ったく、の奴・・・
     一番分かり難い所に下げてあげるなんて言うから頼んだのによ
炎樹 : どうしたんだよ、こんな隅で二人で
  : 炎樹こそ、どうしたの?珍しいね、浴衣
炎樹 : そうだろ、そうだろ?もっと褒めろよ?
     つうか、そっちのお兄さんもなかなか似合ってるぜ?
銀時 : これは浴衣じゃありませんー!あーあーつまんねぇ!苺牛乳でも貰ってくるかな!
  : ちょっと銀さん!そんな言い方ないでしょ?


銀時はまるで駄々をこねるかのように、席を立った
が自分を追いかけてくる事を期待していたが、
振り向いた銀時が見たものは楽しそうに炎樹と話すだった

ここから銀時の妄想ワールドw

ちょっと待てよ。はあんなチャラチャラした兄ちゃんが好みだったのか?そうだったのか、
嫌違うだろ。あんなのが好きなのはだけで充分だ!そうだ、さっきのサイヤ人といい
ここはそういう特殊な人が集まる所なんだろうな、女装もいたし、マイク持ってる奴もいたし・・・
でも、だけはそう言うのに振り回されないで、最後には俺の所に来るんだろう?
つうか、今は、ちょっと俺の事を焦らして?これってひょっとしての作戦?!
バカ!俺のバカ!!の恋の大作戦をスルーするなんて俺って最悪じゃねーかよ!!
あ!!!!つうか、あの短冊も、が読むって大前提?!
そしてが俺の短冊を読んで
「銀さんたら・・・もう、そんな事なら短冊に書かなくても・・・」って
頬染めて俺をウルウルっと見つめるんだろ?
そんなを俺はこうあくまでスマートに!スマーートに抱きしめて
「バカだな・・・泣いたりしたら俺が泣かせてるみたいだろ?」なんてなw
あ、このセリフはイマイチじゃねー?
こう、もっとがキュンと来て、「もう銀さんダメ」って言うような・・・
「俺にこんな事書かせるなんて・・・お前だけだぜ?」
うっわ!
俺それ言うの?いや言える!坂田銀時、男なら言えるはずです!言えます!言って見せます!!
のアゴを持って・・・こう少し上を向かせて・・・
「一年に一度だけなんて・・・俺じゃ我慢出来ねぇ・・力ずくでもを攫うぜ」
銀さんカッコイイーーー!!七夕だけに?七夕だけに一年に一度、このフレーズは入れないと!!!
で、が「銀さんったらぁぁ!もうぅ!」って
ホッペをプクーーと膨らませちゃう訳だwわ、それ可愛い!その、もうマジで可愛いんですけど!!!
そしたら、あれだ。
俺はその膨らんだホッペをつんとさして「のおバカさん☆」
なんてな!なんてな!!なんてなぁぁぁぁ!!!


姫条 : 銀さん、痛い・・・そんなに突いたら痛いんやけど?
銀時 : はい?
 : また、何処かの世界にトリップされたようね?
姫条 : 器用やなぁ〜せやけど、周りは気にせんとあかんで?

銀時の周りにはいつの間にかゴージャスにいたほとんどの人間が集まっていた
だと思いながら突いていたのは姫条の頬。そして後半部分はどうも独り言で言ってたらしい

姫条 : ちゃん、可愛いですけど連れ去るにはライバル多いんちゃいますの?
銀時 : ほ、ほっとけ!!ちょっとトイレだ、トイレ!
 : ついでに顔も洗って来たら?
銀時 : うるせー!全部お前、いつかシメル!いつか斬るからな!!覚悟してとけ!
 : はいはーーい、いつでもどうぞ〜!


銀時がトイレに行くとゴージャスにまた、談笑の時間が戻った
は少し遠くでそれを見ていた。そこに炎樹とが笑いながら来た

 : いやー銀さんの妄想はいつも楽しませてくれるわー
  : ったら、ひどい!教えてあげればいいのに・・・
 : 教えたらもっと恥ずかしいじゃない?ま、そのうち治るんじゃない?
  : 治る?
 : 妄想する必要がなくなったら、ね?播(≧▽≦*)
炎樹 : なるほどーたまに良い事いうじゃねーかよ!

スパーーーーーーーーン!(。-ω-)_θ☆(ノ ̄皿 ̄)ノ

 : 「たまに」は余計!まったく・・・そうそう、それで銀さん短冊教えてくれた?
  : だって・・・本人が恥ずかしがってるのにダメでしょ?
 : はホント良い子だわ
炎樹 : といっしょにいるのにな

スパーーーーーーーーン!(。-ω-)_θ☆(ノ ̄皿 ̄)ノ

 : いいかげん話を進めていい?
炎樹 : お願いします
 : 彬さんと炎樹が、銀さんと抜け出せるように手配してくれたの
  : え?
炎樹 : 任せろよ、!播(≧▽≦*)
 : 鷹士さんがあっちで彬さん達と飲み比べてるの。
     たぶん潰れちゃうと思うけど。その間に抜けて?

銀時 : よっしゃ!!

その話を後ろで聞いていた銀時がを軽く抱き上げた
は小さく悲鳴を上げると、そのまま銀時にしがみついた

銀時 : の荷物は?
 : これだけ。じゃ、銀さん後はたのんだわよ?
銀時 : 任せろって。じゃな、もそっちの兄ちゃんも楽しめよ
炎樹 : 勿論だぜ!銀さんもをヨロシクな!・・・っと、これ忘れモンだぜ
銀時 : あ、・・・ありがとよ、兄ちゃん


炎樹が銀時の懐にさっと入れたモノ、それは短冊だった
銀時はを抱いたまま、ゴージャスから風のように消えた


一方、は銀時にしがみつきながらも道行く人の視線が恥ずかしい
銀時の胸は居心地が良かったが、それとこれとは別だった

  : 銀さん!銀さん、もう大丈夫ですから下ろしてください!
銀時 : イヤだね!舌噛みたくなかったら、口閉じてろ!
  : ?!!!
銀時 : 加速するぜ!

銀時はそのまま、ゴージャスからかなり離れた郊外の土手まで走った
昼間は散歩する人でにぎわう土手もさすがに、この時間は誰もいない

やっとその芝の上には銀時から下ろされた。下ろされると、ちょっと銀時の胸が恋しい気もする


銀時 : やべぇ・・・ぜぇぜぇ・・・俺、年?
  : 息、切れてますね・・・だから言ったんですよ、もう。
銀時 : まぁいいじゃねーか・・・いやー定春の散歩以上に走った。最高に走った
  : まったく、どれだけ運動不足ですか?
     ・・・あ、あそこに自販機ありますから飲み物買ってきます
銀時 : そんなの、俺の木刀で・・・
  : 買ってきます
銀時 : はい。に似てきたか?

は小走りで近くの自動販売機に走った
その後ろ姿を銀時は芝に寝転がり、見送った

夏にしては涼しい風が土手をいく
銀時はボンヤリと空を眺め、少しの感触を思いだしていた
その時、が冷たいペットボトルを銀時の頬に付けた


銀時 : うわ!!って?!ったく、新八じゃあるまいしそんなコト位じゃ俺ドキドキしないからな
  : ホントですか?どれどれ?
銀時 : ゴメンナサイ!ホントは心臓破裂しそうな位ドキドキドキドキしてました!!ほら、な?
  : ・・・ホントだ

銀時はの手を自分の心臓の辺りに当てた。鼓動がの掌を伝わる
銀時の手から、の鼓動も伝わる

銀時 : あれぇ?もドキドキしてるのかな?
  : あ、それは・・銀さんが急にこんなコトするから・・・もう、水とお茶しか無かったですけど
銀時 : 苺牛乳
  : ありません
銀時 : じゃ、甘いなにか
  : 何かってなんですか?
銀時 : 甘い・・・
  : 私は甘くないです!(///////)

銀時 : じゃ食べてみても・・良いか?甘いかどうか。

銀時の瞳が変わった
はいつもの銀時の瞳じゃない、どこかぎらぎらした瞳から逃げられなかった
銀時が体を起こした時、懐に入れていた短冊が2枚落ちた


  : あ、銀さんの短冊。
銀時 : あーーーー!!見ちゃ駄目です!見たら駄目ってお母さんに言われたでしょ!
  : お母さんって・・・

ひらひら風に乗って土手の下の方に落ちていく短冊。の方が先に銀時の短冊を取った
その時、が重心を崩し転びそうになった
そのの手を転ぶ方とは逆に、銀時が自分の方へと力一杯引き寄せた
結果、銀時を下にが上に、銀時はそのままを抱きしめた

  : イタ・・・くない?
銀時 : ばかやろう・・お前ホントに俺の心臓が破裂するだろう?アイタタタ・・・
  : ごめんなさい。でも短冊・・・
銀時 : そんなのいつだって言ってやるよ・・が好きだって・・・

  : え?

が顔を上げる
下には照れくさそうに拗ねる銀時が居る

銀時 : だから・・・一言書いただけ。最近ライバルも多いしな。
     ここらで決めとかねーとって思った訳
  : 銀さん
銀時 : イヤ・・だったか?
  : ・・・そうじゃない。嬉しい・・・
銀時 : ばーか、嬉しくて泣くヤツがいるかよ

銀時はの頭を優しくなでる
ふと、指先にさっきが買った水のペットボトルが当たる

銀時 : なぁ、・・・のど、乾かねーか?
  : あ、そうだ、さっきの・・水ならそこにあるけど・・・

銀時 : 呑ませてくれよ?オレ体中が痛いんだわ・・・駄目?
  : ホントに痛い?
銀時 : あぁもう、すっごく痛くって銀ちゃん死んじゃう!
  : もう、バカ!・・・ちょっと待ててくださいね

は銀時からペットボトルを受け取り、少し自分の口に含んだ
そしてゆっくりと銀時の唇へとそれを運ぶ

なんだろう、この感覚は・・・まるで自分の口じゃないみたいだ
口の中に含んだ水はもう無いのに、まだ銀時は解放しようとしない
背中に回された手が、髪をなでる手さえ、微妙に熱を感じる


銀時 : ほらな・・・やっぱり
  : なんですか?
銀時 : は甘い、と思うから、もう一度頼むわ?・・・いいよな?
  : ずるいですよ、そんなの
銀時 : 大人はずりーんだよ・・・

本当にずるい
断れないと知っていて、甘い水をせがむなんて・・・

はそれでも断ろうと思っていない自分に苦笑しつつ
背中の手の微熱を感じながら自分が砂糖のように溶けていく感覚を味わった