の所に瞬、悟郎、瑞希、九影、二階堂、真田の6人から
個性豊かな、それでいて想い溢れるメールやら手紙が届いていた
: ここから一人だけ、なんだよね・・・
天を仰いでため息。何度目のため息だろう。
全ての手紙に目を通し、全てのメールをちゃんと見た。
エスコートか・・・ちゃんとしてくれるかな?
ふと笑顔になる。脳裏にたった一人の笑顔が浮かんだのだ
真田だった。
その笑顔に誘われるように、いつもこちらも笑顔になる
携帯のメール受信箱をひらき、もう一度真田から貰ったメールを読んでみた
やっぱり笑みがこぼれる
次の日。
は真田がよく一人で資料作りで籠もる準備室に向かった
職員室なら良く行くのだが、ただでさえ広い聖帝学園内では行った事がない所も多い
: 真田先生ー、いますか?
真田 : あ、ちゃん?どしたの?
中から明るい声がした。それだけで、なぜか温かい気持ちになる
: あの・・・聖帝舞踏祭の事で・・・
真田 : え?あのひょっとして?!!!・・・って、とりあえず入って、入って?
: 失礼しまーす。意外と狭いんですね
真田 : そう?あぁ、職員室よりは狭いかな?あは、あははは・・・
ふと間が空く。
と真田の視線がぶつかる
: あの・・・
真田 : あーいい!!判ってる!!そうだよね、そうだよ、判ってる、判ってるって。
: はい?
真田 : 今日さ、先輩と話してたんだ。俺ならエスコートに先輩を指名するって・・・そうだよ
俺が指名される訳無いって・・・うん、そう。ゴメンね?辛い思いさせて。
: ・・・?
真田 : で、誰にしたの?エスコートの相手。あ、訊いちゃいけいないんだっけ?
: エスコートの相手は(真田を指さす)ですけど・・・(^-^)
真田 : はい?(〃゜ o ゜〃)
: はい。
真田 : え?・・・俺?(〃゜ o ゜〃)
: はい、真田先生
真田 : マジで?
: マジですけど・・・お嫌ですか?
真田 : お嫌だなんて、そんなこと有る訳無い!って言うか、え?マジ?
これドッキリとかじゃないよね?斑目が仕掛けてるドッキリとか(≧◇≦)
: 違います(^-^)
真田 : 葛城さんがイタズラしてるとか(≧◇≦)
: 違います(^-^)
真田 : 本当にホント?
仙道とかのイタズラじゃなく夢でも(ホッペをつねる)マジでイテェ!!
・・・本当に俺で良いの?ちゃん?
: こちらこそ、お願いしますね?社交ダンスをこれから練習するんですから
真田が一度身を小さく縮める
が具合でも悪くなったのかと心配して近づこうとしたら
真田 : ヤッタァァァァァァァァ!!!!!!o(≧∇≦o)(o≧∇≦)o
: さ、真田先生?
真田 : サッイコーに嬉しい!!ありがとう、ありがとうちゃん!!
: こちらこそ・・・あの、真田先生落ち着いて下さい。
真田 : そうだ、二人で舞踏祭の衣装見に行こう?
あと、社交ダンスの練習も!!ちゃん一緒に、ね?
: は、はい(余程嬉しいんだなぁ・・・可愛いな)
その時。
二階堂: 真田!静かにしなさい!!・・・ん?さんも御一緒とは・・・なるほど。
真田 : せ、先輩すみません!
: すみません、二階堂先生
二階堂: いや、良いんですよ。今日だけは大目に見ましょう。
真田 : 先輩?
二階堂: 良かったな?真田。私もお前をエスコートしなくて済んでホッとした
さん社交ダンスを真田先生と二人分、しごいてさし上げましょう。
真田君も楽しみにしてなさい?では。
ドアがしまる。
緊張が溶けて、一気に二人で笑い出す
真田 : しごかれちゃうね、ちゃん
: 本当ですね、真田先生
夕陽がゆっくりと部屋を照らし出すまで、そのまま笑い声が響いていた
しばらくした休日。
真田と待ち合わせをした、。
舞踏祭の衣装を二人で決めようと、街に繰り出す事にした
待ち合わせ場所に着いたは、どんなドレスにしようか迷っていた
: (あんまり派手でも困るよなぁ・・・
真田先生とお揃いって程じゃなくてもこう、お揃いですーみたいな?)
真田 : あ、待った?ちゃん!!
: 大丈夫ですよ、真田先生。
真田 : あ、そうそう。今日は学校の中じゃないんだし・・・その先生ってやめない?
: じゃぁどうやって呼びましょうか?二階堂先生みたいに真田君とか?
真田 : いや、それもどうだろう・・・
: じゃ・・・真田さん?
真田 : それ!!それでいこう!いいなぁ真田さん。照れちゃうよなぁ
: あ、ちょっと待って下さい、真田さん!!
真田 : そんなに呼ばないでよちゃん。照れちゃうよー。(〃⌒∇⌒)ゞ
照れながら歩き出した真田。は少々びっくりしたが、真田に着いていく事にした
しかし、真田は意外と歩くのが早かった。休日と言う事もあり人が多く、真田との差がなかなか縮まらない
はぐれちゃう、と思った時、の足がもつれた。
転倒に備えて体を硬くした時、どこかで包まれた事のある香りと体温に包まれた
: あ・・・あれ?
二階堂: やれやれ、あなたを抱き留めるのはこれで2度目ですね?さん
: に、二階堂先生?!どうしてここに?
二階堂: それより。・・・真田!真田!!
真田 : ん?アレ?
どうしたんですか、先輩?って言うかなんでちゃんが先輩に抱きついてるの!?
: あ、わ!!!すみません、二階堂先生!
二階堂: かまいません。
それより真田、君はさんが転びそうになってた事にさえ気が付かなかったのか?
真田 : え?・・・そうなの?
: はい・・真田さん、いや先生が結構早く歩くので・・・すみません
真田 : いや、謝らないでよ・・・ごめんな、俺なんか浮かれちゃって
二階堂: そう、君は浮かれると周りをまったく見る事が出来なくなる。やはり心配は的中だ
真田 : 先輩?
二階堂: このままでは真田にエスコートを任せられない。そういったのだ
人混みの真ん中で3人のコトバが消える
まるで、そこだけが別世界のように音が消えたようだった
真田 : いやです。いくら先輩の話でもきけません。行こう、ちゃん
: あ、あの・・・失礼します、二階堂先生
手を引かれてと真田が人混みに消える
その後ろ姿を見送って、小さく笑う二階堂。やれやれと頭をかきながら九影が顔を出す
九影 : これで良かったのか?憎んでくれってぇ言わんばかりじゃねーか
二階堂: これで良いんです。いやこれ位しなければ、真田は判らない・・・困った後輩だ
九影 : んじゃ、ふられた者同士、呑みにでも行くか?困った後輩の話をつまみしながら、よ?
二階堂: 勿論、九影先生のおごりですね?
九影 : しゃーねぇなぁ。たまには、な
真田の性格を判っていた二階堂だからこそ、憎まれ役を買ってでも、こうしなくてはいけなかった
浮かれてばかりでは、エスコートなど出来ない。でもそれを言葉で言って聞く訳がない
少々痛すぎるお灸になったか?と苦笑いを浮かべながらも
強く自分のコトバを「いやです」と言い切った真田の顔が誇らしくも思えた
一方、真田とはしばらく歩いてがまた転びそうになって、やっと止まった
: そこのコーヒーショップに入りませんか?少し疲れちゃって・・・
真田 : ごめんね・・・俺
: その先はあっちでゆっくり聞きますよ、真田さん
真田 : ちゃん
: さ、行きましょう?
カウンター席に並んで座った
外を行く人が硝子越しに見えた
真田 : ホント、ゴメンね、ちゃん・・・
俺先輩が言う通り、浮かれて全然周り見えてなかった
: でも2回目はちゃんと手を引いてくれましたよ?
真田 : あれは・・その・・・つい、勢いっていうか・・・ホント、ゴメン!!
: もう謝らないで下さい、ね?
真田 : 前にも二階堂先輩に、浮かれて周りが見えてないって叱られた事があったんだよね
: 兄弟みたいですね、二階堂先生と真田さんって
真田 : そうかな?
: うん。仲の良い兄弟でお兄ちゃんが心配して弟を叱ってるみたいで。
真田 : そっか・・・心配して、か・・・もう、先輩にはかなわないよなぁ
真田がコップの水を飲みほす。
そしてそのまま、真田はをしっかり見つめて言った
真田 : もう一度訊いていい?エスコート、俺で良いんだよね?
: 私真田さんにお願いしたはずですけど・・・?
真田 : その気持ちって変わってない?
: どうして?
真田 : だって先輩は良く気が付くし、
今日だって俺が抱き留めるより早く・・・ちゃんを・・
: でも、私がエスコートをお願いしたい人は真田さんですよ?
膝の上でギュッと握りしめられた真田の拳に、はそっと触れた
真田 : ・ちゃん?
: 確かに転びそうになりました。助けてくれたのは二階堂先生です。でも
真田 : でも?
: 私は真田さんを追いかけてたんですよ?ずっと、ずぅっと。
真田 : ちゃん・・・
: それとも、今更エスコート出来ないから俺やめるーとか言います?
真田 : 言わない、言わない!!・・・もう、言わないよ。
: じゃ、約束。
の小指が真田の目の前に立てられる
クスッと笑って真田がその指に自分の小指を絡めた
『指切り、げんまん。』
それから衣装選びは驚く程スムーズに進み、お互い舞踏祭の日が楽しみと何度も話していた
そして、日が流れて舞踏祭当日。
タキシードに着替えた真田の周りに悟郎、瑞希が面白がって来ていた
悟郎 : あれれー?!ひょっとしてマサちゃん?!!!ポペラビックリ!w(゜o゜*)w
瑞希 : ・・・子犬にも衣装・・・ぐー( ̄w ̄)
真田 : おいお前ら、何げにけなしてるだろ?!それって褒めてないだろう!?
それに子犬に衣装ってなんだよ、斑目!
瑞希 : ・・・うるさい子犬、緊張しすぎ・・・
真田 : う、うるさーーーい!!ヾ(*`Д´*)ノ"彡☆
九影 : 五月蠅いのはお前だろうが、サルが!
真田 : 九影さん・・・だってこいら俺の事
九影 : あー七五三みてえだな(≧∇≦)
真田 : ッて、ひど!!酷すぎる!!七五三じゃないし!!
九影 : んじゃ、入学式か?ま、似合ってるぜ?
二階堂: あんまりいじめないで下さい、九影先生。真田君、ネクタイが曲がっています
真田 : 先輩・・・やっぱり変ですか?
二階堂: 皆さん悔しいんですよ。さんの手を取ってエスコート出来るのは、君だけだ
九影 : ちゃんとやらねーと横から、かっ攫うからな。覚悟しとけよ?
悟郎 : ゴロちゃんもの事ポペっと攫うかもよ〜?
瑞希 : ・・・足元注意・・・( ̄w ̄)
二階堂: だそうです、真田先生?ま、しっかりエスコートしなさい。君なら出来る。
真田 : はい、それじゃ迎えに行って来ます!
保健室で着替えるから、と話を聞いてた
でもいざ保健室の前まで来て足が動かない。
何度目かの深呼吸、そしてノック
: はーい?
真田 : 真田です
: あ、どうぞ、開いてますよ
喉がカラカラだ。声が出ない
保健室に入る
そこに、いつもと違うドレスのが立っていた
真田 : ちゃん・・・
: あ、変ですか?やっぱり、こここうじゃないのかなぁ
・・・にも訊いてこれで良いはずなんだけど
真田 : ・・・
: 真田さん?変、ですか?
真田さーん?聞こえてますかー?おーい?真田さぁーーーん?!!
コトバ、何か気の利いた、事を言わないと。
昨日必死に練習したんだ、君は綺麗だとか、素敵とか・・・
葛城さんが女性に言うような、鳳先生が甘く囁くような・・・
しかし、残念な事に今、一つも真田の頭からは出てこない
その代わり、体が動いた。をそのまま抱きしめた
: ・・・真田、さん?
真田 : 凄く可愛い・・・凄く、凄くモノスッゴク可愛い!!
誰にも見せたくない位、可愛い・・・可愛い・・
それ以外、他に何も浮かばないんだ・・・
: ううん、凄く嬉しい
真田 : ホント?
: 真田さんも素敵ですよ
真田 : ホント?!本当に?俺さっき斑目や風門寺、九影さんにまで七五三とか言われてさ
: そんな事無いですって!本当に素敵です!惚れ直しましたよ、私、あ・・・
真田 : 今・・・惚れ直したって?
: はい、惚れ直しましたよ、真田さん。だからエスコート、よろしくお願いしますね
真田 : ちゃん・・・
: はい?
真田は一度から離れて、ちゃんと姿勢を正した
真田 : 今日はよろしくお願いします。
ううん、今日だけじゃない、これからも俺にエスコート・・・させて下さい!!
出された手は、あの日膝の上で悔しそうに握られた拳。
今日はに向かって、元気に差し出されている手
: こちらこそ、よろしくお願いしますね
真田 : よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
: きゃぁ!真田さん?!
真田 : 大好きだよちゃん!!大好き!
: あ・・・
抱きしめて、つい真田は勢いでにキスをした
それは軽く触れただけのキスではあったが、間違いなく真田の意志だった
真田 : ご、ごめん!!その勢いって言うか・・・怒った?
: キスした後に謝っちゃダメ・・・ね?
今度はから。
そっと頬に唇が触れた
真田 : ちゃん・・・
: イヤなら抱きしめられた時に怒ってますよ。そうでしょ?
真田 : うん・・・そうだね。それじゃ、もう一回ちゃんと・・・
: ん?・・・Σ(=∇=ノノ
真田 : え?・・・Σ(=∇=ノノ
ふと二人とも視線を感じた。視線の先には真っ赤になった二階堂が立っていた
二階堂: 心配で来てみれば・・・真田!!さっさとさんをエスコートしろ!
それからそういう行為は学園内では慎みなさい!!まったく、君たちは・・・
コホン、舞踏祭が始まっています。皆さんお待ちかねですよ
真田 : あ、本当だ・・・じゃ、行こうかちゃん
: はい、真田さん
手を取って歩き出す二人は微笑みあっている。
そんな二人を見送る二階堂の顔は
まるで花嫁を見送る父親のようだった、と密かに語り継がれたとか・・・
『 12 Vitamin 舞踏会スクランブル 真田正輝の場合 』 ★ Write:梅桜 ★