『 12 Vitamin 舞踏会スクランブル 二階堂衝の場合 』 ★ Write:梅桜 ★
の所に瞬、悟郎、瑞希、九影、二階堂、真田の6人から
個性豊かな、それでいて想い溢れるメールやら手紙が届いていた


 : ここから一人だけ、なんだよね・・・

天を仰いでため息。何度目のため息だろう。
全ての手紙に目を通し、全てのメールをちゃんと見た。

でもあの人なら、きっちりかっちりエスコートをしてくれそうだな


ふと笑顔になる。脳裏に少し照れてうつむく人が浮かんだ
二階堂衝だった。
エスコートを誘う手紙も白い封筒に白い便せん、綺麗な字で書かれていた
全てが二階堂らしくて、何度見てもその手紙を書く二階堂を思い浮かべてしまう
きっと何度も書き直したんだろうなぁと思うと心が温かくなる
手紙をそっと抱き寄せて一言「お願いします」とつぶやいた




次の日。
は二階堂に会う為に、生活指導室に足を運んだ
ノックをしようと深呼吸。しかしそこから先に進めない。
じつは何度かドアの前まで来てたのだが、
緊張と生活指導室という独特の雰囲気でそのまま帰ってしまったのだ



 : まいったなぁ・・・こんな所清春君やに見つかったらなんて言われるか・・・
     (深呼吸をして)でもここにいても仕方ないし、苦手でも行くぞ!
二階堂: 何が、苦手なんですか?
 : に、二階堂先生?!!!・・・びっくりした
二階堂: びっくりしたのはこちらです。
     ドアの前に誰かいる気配はしたものの、一向に入ってくる気配がない。
 : ばれてたんですか?!
二階堂: ばれるも何も、ここ数日放課後になると、気配はしてましたから。
     さんだったとは・・・
 : すみません・・・どうも苦手で・・・
二階堂: この生活指導という部屋がですか?それとも、私が・ですか?
 : あ、その、もちろん生活指導室っていう名前が、です。
二階堂: それなら問題ないです。
     生活指導室と書いてありますが、あまり生活指導に使われていません
 : そうなんですか?
二階堂: 詳しい話は中で。どうぞ、お入りください
 : あ、ありがとうございます


を生活指導室に招き入れる。こういうところがスマートだと毎回思う。
さりげなく庇ったり、真田先生を解らないようにフォローしたり。
自身も何度フォローをされたか解らないし、叱責された事もあった。
でも、その優しさに気がつくまでかなり時間がかかったのも事実だ。
不器用な優しさ、表現が下手な優しさ。それゆえに暖かな優しさ
それに気がついてからは、二階堂が気になって仕方がなかった。



二階堂: どうぞ、そちらにお座りください。
     生活指導にあまり使われてない、という事を話しましょうか?
 : いえ、今日は私の話を先に聞いて頂きたいなぁと思ってますが・・・良いですか?
二階堂: けっこうです。それで、私に話しとは?
 : あ、その・・・聖帝舞踏祭の事で。
二階堂: エスコートの件、ですか?
 : はい。お願いできますか?
     私社交ダンスも踊れないし、エスコートして頂く事が凄く恥ずかしいんですが
二階堂: エスコートを申し出たのは私です。恥ずかしがる事はない。それに・・・
 : それに?
二階堂: こちらこそ、よろしくお願いします。エスコートには慣れていませんから・・・
 : じゃ、お互い初心者って事ですね
二階堂: そうなりますね。しかし、ダンスは教える事ができます。
     舞踏祭までの短い期間ですが私がレッスンして差し上げましょう
 : 厳しそうですね・・・とにかく、よろしくお願いします!!
二階堂: そう堅くならずに。私だって初心者だと今言ったはずです
 : そうでしたね。でも二階堂先生が初めてってちょっとびっくりしました
二階堂: そうですか?
 : えぇ、もう何人かの女性をエスコートされてもおかしくないと・・・あ、勝手な想像です
二階堂: いえ、かまいません。男として、喜ぶべき言葉ですからね
 : (でもあんまり嬉しそうじゃない?)あの・・・私今日はこれで。
     あ、舞踏祭の衣装ってもう用意さましたか?
二階堂: まだ、ですが・・・
 : 良かった!一緒にそろえませんか?どんなのが良いのか全然解らなくて・・・
二階堂: それなら鳳先生や衣笠先生の方が女性の好みや、スタイルには詳しいかと・・・
     私はあまり・・
 : いえ、二階堂先生の好みって言うか・・あ、違うかな・・
     そのどんなドレスが良いかアドバイスして欲しいというか・・
     一緒に踊るわけだし・・どうでしょうか?
二階堂: それなら助言できそうですね。
 : 良かった・・それじゃ、次のお休みで良いですか?


話はほとんどが決めている
しかし二階堂の顔にはずっと微笑みが浮かんでいた
にはそれがたまらなく、嬉しかった



しばらくしてダンスのレッスンが始まった
社交界デビューの真似事の舞踏祭といえど、
それなりのダンスはマスターしなくては、という二階堂
スタンダードダンスの中のワルツをとりあえず踊れるようになる事に的を絞った二人だった
しかし、焦りからか、がなかなかステップを覚えられなかった

二階堂: 3拍子のワルツですからね
 : はい、もう一度お願いします
二階堂: 行きますよ、では背筋を伸ばす・・・っと、さん大丈夫ですか?!
 : ご、ごめんなさい!!(だって接近してるんだもん!!)
二階堂: それより、大丈夫ですか?今、へんな転び方でしたが・・
 : え?あ・・・やばい、ひねっちゃったかも、です(汗)
二階堂: やれやれ、貴女という人は本当に驚きの連続ですね。
     保健室の鍵を。湿布を取ってきます
 : あ、私が・・・
二階堂: もう一度、あの日のように私に抱きかかえられて運ばれたければ、
     さんの提案も聞きますが?
 : ・・・これ、保健室の鍵です。お願いします
二階堂: けっこう。そこの椅子に腰掛けて待っていなさい
 : はい。あの・・・二階堂先生!
二階堂: なんですか?
 : その・・・呆れてます?
二階堂: 呆れて物も言えない、と言うべきなんでしょうが、
     私は楽しくて仕方ないですと言ったらどうしますか?
 : 楽しい?
二階堂: では、ほかに質問がなければ、私はこれで。


楽しいと言った。
背を向けて立ち去る人は自分がダンスの練習も全然上手に出来ないのに楽しいと言った
なぜ?こんなに時間を割いてもらって、
その上、自分のせいで二階堂が時々残業をしてる事も知ってる
それなのに、なぜ、楽しいなんて言えるんだろう・・・
気がついたらの頬を涙が伝っていた

情けなかった
このままでは自分はエスコートされても二階堂に恥をかかせてしまうだろう
でも今のこの足で練習は出来ない・・・いっそ舞踏祭を休んでしまうか・・・

と、その時賑やかな声が響いた


悟郎 : あーーみっけ!!
     ゴロちゃんが一番!ポペラ一番!!ってどしたの?(゜◇゜;)
瑞希 : ・・・足が少し腫れてる・・・ひねった?
真田 : あれ?先輩は?
 : ゴロちゃん・・・瑞希君に真田先生・・・
悟郎 : 足、痛い痛いなの?パラッペ痛いの?
瑞希 : ・・・すぐに湿布して安静にしてなきゃダメ・・・
真田 : こんな時に先輩、どこ行ったんだろう?ねぇ?ちゃん
 : 二階堂先生は湿布を取りに行ってくれたの・・・(ρ_;)
悟郎 : ショウちゃんが?!ショウちゃんがのために走るなんてゴロちゃんポペラ感激!!
瑞希 : ・・・二階堂先生ならそう判断する。
     大丈夫、さんは泣かないで?良い子、良い子。
 : 全然良い子なんかじゃない!私全然ダメだもん
     ・・・全然踊れない・・・全然出来てない・・・
真田 : ちゃん・・・
 : 二階堂先生に時間を作ってもらって、ダンスの練習して・・・なのに・・なのに・・
悟郎 : パラッペ落ち込みモードだねぇ、ってば・・・
瑞希 : 二階堂先生が来る前にバカサイユに連れて行く。
     落ち込んでるさん放っておけない
真田 : そうだ!さんが落ち込んでるのに放っておけない!
瑞希 : 子犬は黙って。
真田 : 黙ってって・・・(゜〇゜;)俺だってちゃんを心配して
悟郎 : マサちゃん、さっきまで先輩先輩ってパラッペうるさかったのにぃ〜?
瑞希 : じゃ、さん
二階堂: どこに連れて行こうと?斑目君、風門寺君。
 : 二階堂先生
悟郎 : ショウちゃんいつからそこにいたの!?
真田 : 先輩?!(゜◇゜;)
二階堂: それより3人とも今すぐ退室しなさい。さんの足の処置をおこないます
瑞希 : 手伝う・・・
二階堂: 大丈夫です。それより彼女が泣いてる理由も聞かなくてはいけない。
     3人とも今すぐ退室願います
真田 : ほらほら、行こうぜ、斑目、風門寺!
悟郎 : ぶーぶー!あ、、ダンスなら踊れなくてもポペラ大丈夫!心配ないない〜!
瑞希 : ・・・僕はずっと寝てるから・・・
 : ゴロちゃん、瑞希君・・・
真田 : じゃ、後は先輩にまかせて。ちゃん、ほら笑って!!じゃねー!!
 : 笑ってって・・・もう真田先生まで・・・


部屋が静かになる
二階堂が大きすぎるため息をする。


二階堂: 帰ってくれば貴女が涙を流している、
     そして真田君に風門寺君、斑目君がいる。何事ですか?
 : ・・・それは・・・
二階堂: それより足の手当を。早めに湿布した方が良い。さ、足を。
 : ・・・自分でします・・・すみません・・・
二階堂: なぜ、貴女が謝るのですか?


二階堂との視線がぶつかる
二階堂の困った顔。この人のこんな顔が見たかった訳じゃない
きっと今も、ただ私の足を心配してるだけだ・・・そう思うとなお、心が苦しい


 : 私・・・先生の貴重な時間を使ってしまいました
二階堂: ダンスの練習の事ですか?
 : (黙ってうなずく)・・・なのに全然上達しない
二階堂: 焦ってはいけません
 : でも!!でも、急がないと先生の時間をこれ以上無駄になんか・・・出来ない・・・


最後は涙があふれて言葉になったかどうか、自身が不安だった
こんなに不安で、弱気になるのは自分らしくないと思いつつも、涙が止まらない

その時、ふと二階堂の指が涙をぬぐった


二階堂: 先ほど、さんは私に「呆れましたか?」と訊きましたね?
 : ・・・はい
二階堂: 私が貴女になんと答えたか、覚えてますか?
 : ・・・「楽しい」と。
     「楽しくて仕方ない」って答えてくれました・・・冗談ですよね?
二階堂: 本当です。
     貴女と一緒に入れる時間が、たとえダンスの練習という名目があっても楽しい。
 : ・・・二階堂先生・・・
二階堂: もう、泣かないで。真田君も笑って、と言ってます。私も笑ってるさんが見たい


さ、湿布薬を貸しなさいと二階堂がの手から湿布を取り、手際よく足の手当をしませた


二階堂: これでは今日はもう、帰られた方が良い。送ります
 : え?いや、だって・・・
二階堂: これもエスコートのうちだと、そう言えば・・・さんは私の車に乗ってくれますか?
 : 二階堂・・・先生・・
二階堂: 脅迫のようですね・・・すみません。
     私は女性に優しくする術をあまり心得ていない・・・


夕日に二階堂の悲しそうな横顔が照らされる
少しだけ寂しそうに微笑むその横顔からは目が離せない

二階堂: 鳳先生のようにスマートに、葛城のように甘い言葉も、私には無理です。
 : 二階堂先生は優しいです!優しいから、だから・・・
     だから、私先生にエスコートしてもらおうって決めたんです
二階堂: ありがとうございます。
     しかし、さんに無理をさせて、ケガまでさせてしまった・・・
 : 違う!これは私が焦って!!・・
     そのエスコートの時に先生に恥をかかせてしまうって、そう思って・・・
二階堂: ダンスを踊らないと、私に恥を?
 : ダンスの一つくらいは踊れないと・・
     せっかく二階堂先生にエスコートしてもらうのに
二階堂: そうでしたか。お互い、すれ違っていたようですね
 : はい?


悲しそうだった二階堂の顔に微笑みが戻る
そして、をそっと抱き上げる


 : あの、先生?
二階堂: その足で歩かれては、湿布した意味がない。捕まっていなさい
 : は、はぁ・・・
二階堂: 2度目、ですね。さんをこうやって抱き上げるのは。
 : こちらはとても恥ずかしいです
二階堂: 私は嬉しいですよ?
     2度もさんをこうして抱き上げる機会が出来たんですから



途中で会った生徒に、付き合ってるの?と聞かれたらどうしようと思っていたが
二階堂が生徒に、早く下校しなさいと先に声をかけるので、何も訊かれずにすんだ
しかし、ここで清春君に見つかったら偉い事になる。
顔を隠すようにすると、二階堂との密着度が増す。
それがまたには恥ずかしくてたまらない
そんなとき、二階堂がに語りかけた


二階堂: さん、私たちは少々、すれ違っていたようですね
 : すれ違い??
二階堂: いや、同じ事を考えていた、と言う方が正しいのでしょうか・・・
 : 私と二階堂先生が?
二階堂: さんは、私に恥をかかせたくないと言ってくれました
     私はさんに恥をかかせられないと必死でした。
 : 私に?!・・・いや、だって・・・二階堂先生に恥をかかせられるなんて・・・
二階堂: 言ったでしょう?私もエスコートは初心者、初めてです
 : ・・・初めて・・・
二階堂: 慣れていない分、緊張します。
     貴女が緊張してる時にフォロー出来ないかもしれない。
 : そんな二階堂先生、想像できないです
二階堂: ・・・私だってそうなるんですよ。好きな人の前では。
 : はい?!今なんて・・・


ちょうど車の前だった
ゆっくりとは降ろされて、二階堂の言葉を頭の中でゆっくりと繰り返していた

『好きな人の前では』

誰が?誰を?の頭はショート寸前だった
二階堂に促されて、車に乗り込む。
車中では、その会話の続きはなく、しばらくダンスの練習は中止しようとか
ごくごく他愛ない会話ばかりだった。
そして、あっという間に二人は目的地のの部屋の前に着いてしまった


二階堂: 今日は早めに休んでください。明日、迎えに来ますから
 : え?あ、大丈夫、大丈夫です!!今日休めば大丈夫ですから!
二階堂: さんを迎えに来たい、と言ったら、怒りますか?
 : 怒りませんよ!・・・でも・・・そんなに優しくされたら・・・私甘えてしまいます
二階堂: 甘えてください。できれば、私だけに。では、また明日。
 : あ、あの!!
二階堂: はい?


去っていこうとした二階堂が振り返る。鼓動が早くなる。
訊いて違ったらどうしよう・・・自分の勘違いだったら・・・
でも、でもこのままじゃ、きっと今夜眠れない!


 : 二階堂先生、さっき好きな人の前ではって言いました。
二階堂: はい、言いました
 : それから、今も・・・何だか恋人同士みたいな会話になって・・・その・・
二階堂: 順序がおかしくなりましたね。私とした事が、貴女を困らせてしまった。
 : あの・・・
二階堂: 最初に告白するべきでした。
   エスコートをお受けして頂いた時点で私も浮かれてたのかもしれません
 : ・・・


二階堂がの前に戻り、優しく微笑みながら言った


二階堂: さんが好きです。貴女の笑顔で私はいつも優しい気持ちになる。大好きです。
 : ・・・二階堂先生・・・
二階堂: こんな気持ちは初めてです。貴女を誰にも渡したくない、私だけのものにしたい・・・
 : 私、そんな優しい気持ちなんて・・・私の方こそ・・・その・・
二階堂: 泣かないで下さい。困りましたね、私はさんを泣かせてばかりです
 : これは嬉しくて・・・泣いてるんです


細い指がの頬の涙をぬぐう
少し困った顔の、頬を柔らかい紅色に染めた二階堂が目の前で笑う


 : 先生が急に告白なんてするからです。・・・心の準備も、何も出来てないのに
二階堂: いやなら断って頂いても
 : イヤじゃないです!!
     ・・・その・・・大歓迎って言うか、こちらこそよろしくお願いします
二階堂: それでは、明日、お迎えに伺いますね?良いですか?
 : はい。
二階堂: やっと笑ってくれた。やはりさんは笑った顔が一番素敵です。
 : 素敵って・・・
二階堂: それでは早めに休んでください


失礼しますと残し、足早に部屋を後にする二階堂の背中
笑ったり、泣いたりとても忙しい一日が終わろうとしている
最後は思いがけずに、二階堂からの告白だった・・・まさか両思いだったとは。
ベッドに体を投げ出し、ぼんやりと思う

頬をぬぐった二階堂の指・・・細くしなやかで、冷たい指
綺麗な指、大好きな人の指・・・

 : キャーーーーーーーー!
     恥ずかしいんですけどぉぉ!!ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃

しばらくベッドの上で一人できゃーきゃー騒ぐだった


結局ドレスを買いに行く時間はなかった
しかし、二階堂とネットで舞踏祭のドレスを発注した
二階堂のパソコンでが一緒に発注したのだが、このドレスも違うとか、こちらが似合うとか
なかなか決まらなかったが、最後は二階堂の一言だった

二階堂: 私が似合うという言葉が信じられませんか?
 : そういう意味ではないです・・・でもそう言われると何も言えないじゃないですか
二階堂: 知ってます。ちょっと意地悪でしたね
 : ・・・意地悪って・・・ま、二階堂先生が似合うと言ってくれるならそれにします


結局ドレスは二階堂に選ばれてしまった。
でもドレスをプレゼントしたいという二階堂の言う事だけは聞かなかった
そのわがままだけは許して欲しいとがお願いしたのだ


そして、舞踏祭の日がいよいよ来た

二階堂: さん、着替えられましたか?
 : あ、はい着替えました。開けても大丈夫ですよ

二階堂は保健室に入った
そこにはいつもの服装とは全く違う、ドレス姿のが立っていた


 : 二階堂先生のタキシード・・・素敵です!
二階堂: あ、いや私は・・・それより、さんのドレス、やはり似合ってますよ
 : 着慣れてないので恥ずかしいです
二階堂: 綺麗です。もちろん、ドレスを着たさんが。
 : 恥ずかしいですよーもう!ヾ(≧∇≦*)〃
二階堂: 本当です。こういう時に気の利いた言葉一つ浮かびませんが・・・
     綺麗です。誰にも見せたくないほど、美しい。
 : 二階堂先生・・・
二階堂: いや、見せびらかしたい。この人をエスコートするのは私だと。可笑しいですね
 : いえ、嬉しいです。ありがとう、二階堂先生。
二階堂: そうだ、これを。
 : これって、コサージュじゃないですか?綺麗!!
二階堂: ドレスをプレゼント出来ませんでしたが、せめてこれはプレゼントさせてください
 : 二階堂先生・・・
二階堂: それから、これからは出来れば、その『先生』というのはやめて頂けますか?
 : 二階堂・・・さん・・・恥ずかしいですよ!!
二階堂: そのうち慣れます。さ、最後の仕上げで、これを。
 : つけてくれますか?二階堂・・・さん・・・(〃ω〃)
二階堂: 私が、ですか?(*..*)
 : イヤですか?
二階堂: あ、いや・・・コホン、動かないように。
 : はい。


息がかかるほどに二階堂が近い。も動くなと言われれば、そのまま仁王立ちになるしかない
しかし、どうにもこそばゆい。
二階堂の吐息さえ感じそうな近さで、露出した胸に整った髪の毛がはらりと落ちてドキリとする


二階堂: はい、終わりましたよ、さん
 : あ、はい!
二階堂: どうしましたか?顔が真っ赤ですが・・・熱でも有るのでは?
 : そうですね、
     二階堂さんのタキシード姿と、今、凄く接近されて・・・熱が出ちゃいました
二階堂: 貴女という人は(///ω///)・・・そんな事を言って私を困らせたいのですが?
 : 困りますか?
二階堂: ・・・私にどうしろと?ダンスの時は今より接近しなければいけないのですよ?
 : そうでした(〃'∇'〃)ゝ
二階堂: それでは・・・初めにもっと接近しておきましょう。
     免疫をつけておけば大丈夫でしょう
 : 免疫?なんだかインフルエンザの予防接種みたい(*^.^*)
二階堂: そんなところです。さ、目をつぶって
 : ?・・・はい。


予防接種は唇にされた。
抱きしめられた手のひらから、二階堂の鼓動が聞こえそうだった
逆に自分のドキドキしてる鼓動も聞こえてるんじゃないかと思うと、途端に恥ずかしくなる


二階堂: もう、平気ですか?さん?
 : ・・・平気どころか・・・大変です。(///ω///)
二階堂: 大変?
 : 二階堂さんが・・・その・・・もう!!
     びっくりの連続ですよぉぉぉ!ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃
二階堂: いつもの貴女に戻りましたね
 : ?・・・いつもの私、ですか?
二階堂: 独り言です。そう、いつもの可愛らしいさんだと言ったんですよ
 : 照れますって・・・もう・・・(///ω///)


胸に二階堂のコサージュが踊る
おそろいのコサージュが二階堂の胸にも小さく光る

二階堂: さ、行きましょう。皆さんお待ちかねです
 : はい、ではエスコート、お願いします、二階堂さん
二階堂: 喜んで、さん。


手と手を取り合う
目と目で微笑み合う
嬉しくて歩き慣れない靴でさえスキップしてしまいそうな
気を抜いたら抱きしめてしまう衝動と戦う二階堂だった

遠くダンスの音が聞こえ始めた。舞踏祭が始まる